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勇者「おーい、奴隷買ってきたぞー」Part2

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/24(木) 16:53:31.34 ID:2dgLH2160
勇者「おーい、奴隷買ってきたぞー」
僧侶「……ちょっと待ってください、今なんて言いましたか」
勇者「奴隷買ってきた。いわゆる人身売買、略してジバってやつ」
奴隷「………………」
僧侶「く、首輪につながれて……こんな小さな女の子に、なんてことを……」
勇者「まあまあ。料理とか洗濯とかダルいって言ってたじゃん、こいつにやらせようぜ」
僧侶「そ、それとこれとは別です! すぐに解放してあげてください!」
勇者「それもいーけどさー。この街ぜんぜん治安よくないじゃん」
僧侶「あ……」
勇者「ここでこいつを放しても、いいとこ野垂れ死にじゃない?」
僧侶「う、ううう」
勇者「よーし、じゃあ三人で魔王を倒す旅を続けようかー」
奴隷「………………」

物語はここから始まった…

151 名前: ◆YdSufxMBLg [] 投稿日:2008/04/24(木) 18:27:03.96 ID:m4owsFVb0
勇「んじゃ、騎士さんのところまで行ってみようか」
僧「主戦派の騎士を説得しに行くんでしたね……でも」
勇「うん?」
僧「昨夜は何をしてたんですか? ちょっと、起きるの遅かったですよね?」
奴「…………」
勇「男には一度家を出ると七つの秘密があるんだ」
奴「……ばらしちゃ、だめですか?」
勇「うん、勘弁」
僧「まさかあなた、性懲りもなくこの子にいかがわしい事を……」
勇「ちがうよう。奴隷ちんはもう俺の妹みたいなものさ!」
僧「……ほんとに?」
奴「……ほ、ほんとに?」
勇「いや、ごめん。勢いで言ってみただけ」
奴「え、えー……?」


185 名前: ◆YdSufxMBLg [] 投稿日:2008/04/24(木) 18:53:06.78 ID:m4owsFVb0
>>150
まおーだ! ありがとう。

>>151
勇「ども、お邪魔しまっす」
騎士「……ああ、君たちの噂は聞いている」
僧「それなら、私たちが何の用で来たかもご存じですか?」
騎士「人間と魔軍の和平、か?」
僧「そこまでご存じなら……」
騎士「帰りたまえ、話す事など何もない」
奴「そんな……そう言われても、帰れません……」
騎士「奴隷か? 底が知れるな。勇者の称号を得ながら、こんな小さな娘まで自らの犠牲にしたのかね?」
僧「違います、この子は……!」
勇「いや、奴隷には違いない。もっとも俺は、俺の都合でこいつを殺す気は全くないですがね」
騎士「…………」
勇「あなたは魔王軍との戦いを最前線で続けている。だが、あなたは優秀な指揮官だ。容赦なく部下を戦いに駆り立てている」
騎士「王命と覚悟の元に、部下の命を背負う。騎士ならば当然の事だ」
勇「はい。あなたは魔王軍の侵略に抵抗し、反撃し、戦いを続けてきた。そのために部下の命を使うのは、ごく自然な行為です」
僧「…………」
勇「でも、その戦いが“侵略への抵抗”ではなく、和平の後にも続けられるのなら、それは単なる理不尽にしかならないんですよ」
騎士「……そもそもその和平自体が絵空事に過ぎまい。最前線のこの身には、気配も感じられんね」
勇「いいえ。誰も彼も――とは言わないけれど、戦いにうんざりしている人や魔物の数は、相当に多いです。俺はこの目で見てきました」
騎士「よかろう。仮に和平が成ったとして……だがそれが、魔軍どもが戦力を立て直すための策略でないという保証はどこにあるのかね?」
勇「…………」
騎士「和平が仮に成ったとして、それが永遠に続く保証は?」
勇「ありません」
僧「!」
勇「永遠に続く平和なんてないのは、俺だって知ってるんですよ。欺瞞と策略に基づいた停戦だって、戦争に比べればよほど良い」
騎士「…………」
勇「そしてそれが、俺たちに望める唯一の“世界の平和”じゃないですか?」


186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/24(木) 18:55:21.86 ID:4xq2UNjr0
勇者かっこよすぎwwwwwwwwwwwwwwww


190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/24(木) 18:57:57.43 ID:DmOFtokA0
後藤隊長入ってるね


201 名前: ◆YdSufxMBLg [] 投稿日:2008/04/24(木) 19:29:14.39 ID:m4owsFVb0
>>190
正直俺もそう思った。

>>185
勇「そしてそれが、俺たちに望める唯一の“世界の平和”じゃないですか?」
騎士「……近視眼的な意見だな。欺瞞の和平の後、再度の開戦が更に悲惨を極めた時、その責任も取れない身で言う事ではない」
僧「……私たちは、相手を滅ぼさない限り戦争を終わらせられないほど、愚かですか?」
騎士「否。愚かなのは人間ではない、魔物だ」
僧「私たちは魔王軍の領地で暮らした事があります。自然のままに動く獣のような生き物も、理性をもった人間のような生き物もいました」
騎士「神も見放す野蛮な土地だ。そう思ったろう?」
僧「いいえ。神は祝福するでしょう、人間の世界と、何も変わりませんでしたから」
騎士「オークやゴブリンどもが、いかに野蛮で知性を持たない生き物か、知らない訳ではあるまい」
僧「いいえ、彼らのうち人間を襲う者は十分な教育を受けていない、それだけです」
騎士「ほう?」
僧「私は数学と神学を修めたゴブリンの教師と、話した事があります」
騎士「…………」
僧「彼は言っていました。“知る事と信じる事は、全ての生き物に許された自由だ”と」
騎士「……私にも、魔物を殺し続けた私にも、魔物を信じる自由があると、そう言うつもりかね?」
僧「あなたほど強い方なら、きっとそれができるはずです」
騎士「……全ては可能性の話に過ぎない! だが、魔物どもに殺された莫大な死者は現実だ!」
僧「騎士さま……」
騎士「私の娘がどのように魔物どもに生きたまま身を引きちぎられたか、とうに聞いているはずだ!」
僧「……!」
騎士「私が何人部下を殺したと思う? 私が憎まれるばかりの上官だったと思うか? その方がよほど良かったがな――だが、部下が魔物を憎まなかったとでも思うか?」
僧「それは……」
騎士「……死者は生者に報いない。故に私が背負った莫大な死者を、精算する方法は、魔軍を滅ぼし尽くす事だけだ」


220 名前: ◆YdSufxMBLg [] 投稿日:2008/04/24(木) 20:01:21.17 ID:m4owsFVb0
>>201
騎士「……死者は生者に報いない。故に私が背負った莫大な死者を、精算する方法は、魔軍を滅ぼし尽くす事だけだ」
奴「……死者を、精算する? なかったことにする、っていうことですか?」
騎士「それは……私の心の中で、死者の情念を浄める事だ」
奴「きしさまのために死んだ人は、……きしさまの娘さんは、きしさまを恨んでいますか?」
騎士「恨みはしないと考えるほど、私は愚かではない」
奴「いいえ。きしさまはきっと、恨まれてなんかいません」
騎士「……何故かね?」
奴「だってあたしは、たとえゆうしゃさまのために死んでも、ゆうしゃさまを恨みはしないから」
勇「……!」
騎士「…………子供らしい言い分だな。さぞかしこの勇者に、甘い言葉をかけられているのだろう」
奴「きしさまの娘さんも、子供でした」
騎士「恨みはしないというのなら、一体何を思って死んだのだ? 手足も伸びきらずに、恋も知らずに死んだ私の娘は、いったい何をしているのだ!?」
奴「……それでもあなたを、信じているのではないでしょうか?」
騎士「……!」

奴「それでは、失礼します……」
騎士「……泊まっていってもいいのだが。まあ、今夜は一人でゆっくりと考えさせてもらうよ」
勇「自分でも説得だか脅迫だか泣き落としだかよくわからなくてアレでしたが、納得してもらえましたかね」
騎士「今はまだ考えをまとめきれていない。だが……」
僧「?」
騎士「……君たちに会えて、良かったとは思うよ」


230 名前: ◆YdSufxMBLg [] 投稿日:2008/04/24(木) 20:19:43.01 ID:m4owsFVb0
>>220
勇「あー疲れた。今夜は飲むべ」
僧「……りんごのジュースがほしいです」
勇「健康的っすね、はいどうぞ」
奴「あのう、おみず……いいですか?」
勇「ジュースがほしいなら頼んでもいいけど」
奴「え? わあいっ」
勇「その分給料から引いとくけどな」
奴「……しょんぼり」
僧「そういえば、そろそろ誕生日ですね。お祝い、しますか?」
勇「おまえの誕生日ももうすぐだな。盛大にダラダラとやりましょうか」
奴「……たんじょう、び?」
勇「そういや、おまいの誕生日っていつ?」
奴「わたしの……ごめんなさい、よくわからないです。ほんとにちっちゃい頃から、檻の中にいたから……」
僧「そう……じゃあ、今決めちゃいましょう?」
奴「えっ?」
勇「ああ、そうするか。いっそ明日って事でも」
奴「えっ? えっ?」
僧「誕生日のお祝いは、嫌?」
奴「あ……」
勇「無条件に騒げる日があるってのは、いいもんだと思うんだよ」
奴「……ぅ……ん……」



236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/24(木) 20:26:39.64 ID:tN/G76UG0
頼む!!!
誕生日を今日にしてくれ!!!!!!!!!!!!!!111
俺の誕生日が今日なんだ!!!1111111
誰も祝ってくれないんだが
そんなことはどうでもいい!
奴隷と誕生日が一緒なんて・・・・最高じゃないか!!!!!!
それが俺にとって最高のたんじょうびぷれぜんとでsrちゅいjk


237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/24(木) 20:27:21.97 ID:1OFQOGeH0
>>236
今日死んで明日生まれ変われ


238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/24(木) 20:27:42.83 ID:6tiD3gPh0
>>236
むしろ死ね


241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/24(木) 20:28:43.80 ID:tN/G76UG0
>>237-238
どっちみち今日死なないとダメじゃないかwww



273 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/24(木) 20:55:35.49 ID:T+eIOQYq0
勇者が性格からしても鋼野剣にしかみえない


280 名前: ◆YdSufxMBLg [] 投稿日:2008/04/24(木) 21:10:35.21 ID:m4owsFVb0
僧「はい。好きなだけ食べてね」
奴「えへへー」
勇「ま、とにかく誕生日おめでとうってことで」
奴「へへへぇ」
僧「うん。今日はお金なんて気にせずに、好きなものを食べていいのよ?」
奴「うへへへへへへへへへ」
僧「……ど、どうしたの?」
勇「酒など飲ませてみました」
僧「何やってるんですかぁ!」
奴「たーのーしーいー。ふわわー」
僧「ああもう……だいじょうぶ? きもちわるくない?」
奴「ううん、ぜんぜん! すごくいい!」
僧「本当に大丈夫なのかしら……」
奴「そーりょさま、やさしい。すきー、すきすきー」
僧「あ、ありがとう……私も、あなたの事が好きだよ? まるで妹ができたみたいで、本当に……」
奴「おねえちゃん?」
僧「そう呼んでくれると、嬉しい……かな」
奴「おねえちゃん、だいすき!」
僧「わ、わっ。だ、だきつかないで……」
勇「え、なにこの百合展開」
僧「何の話ですか!?」
奴「ゆーしゃさま、うらやましい?」
勇「俺の胸に飛び込んできたまえ」
奴「べー。ゆーしゃさまはいじわるするから、きらい」
勇「そんな!」
奴「でも、ほんとはやさしいから、いいの」
勇「んー。お兄ちゃんと呼んでみる?」
奴「あたしは、ゆうしゃさまのどれい?」
勇「そう……だな。今は……でも、この戦いが終わったら……」
奴「?」


281 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/24(木) 21:11:06.16 ID:+3DkRaPCO
僧侶ってキリスト教?
時間なくて挫折するだろうけどとりあえず描いてみる


283 名前: ◆YdSufxMBLg [] 投稿日:2008/04/24(木) 21:12:42.82 ID:m4owsFVb0
>>281
キリスト教に近い教義の架空宗教って事で、子細は任せる。


287 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/24(木) 21:13:08.54 ID:KN+NuGEsO
てか奴隷って間違いなくノーブラだよな


289 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/24(木) 21:13:45.07 ID:ONpyUDK60
>>287
そ の 発 想 は な か っ た


322 名前: ◆YdSufxMBLg [] 投稿日:2008/04/24(木) 21:34:49.97 ID:m4owsFVb0
?「そしてようやく始まるのだ
  幻想の中の真実の物語が。
  勇者が魔王を倒す物語が」

魔王「……二国会談の時間ね。あれが、人間の国王か」
勇「同席させていただきますわ」
魔王「このたびの任務ご苦労だったわね。この会談によって、ようやく平和がもたらされるはずだわ」
僧「勇者様と共に密使の話を受けてから、もうどれだけ経ったかしら……」
奴「あのう……だいじょうぶ、なんですよね? おはなし、うまくいきますよね?」
勇「根回しは死ぬほどやってる。もう9割がた、話は決まってるはずだ……っと、始まるな」


364 名前: ◆YdSufxMBLg [] 投稿日:2008/04/24(木) 21:59:01.02 ID:m4owsFVb0
>>322
国王「会談を始める前に、私からも労っておこうか。勇者一行、密使の役目ご苦労だった」
勇「光栄です」
僧「か、過分なお言葉、恐縮の限りです」
奴「……ありがとうございます」
国王「ふむ。彼女を連れてきた……いや、そもそも彼女を人買いから買い取った理由は、この私に対して何事かの利便を考えたからかね?」
勇「そっすね。ま、今となってはどうでもいい事ですが」
奴「え……?」

国王「はじめまして、魔の王」
魔「はじめまして、人の王」
国王「幾多の戦禍を越え、ここに祈りとしての正義を共有できる事を深甚に思う。和平のための会談を始めよう」
魔「手短に済ませましょうか。これは降伏ではなく停戦、その条件は対等である事を旨とする。いいわね?」
国王「うむ。双方の戦力は互角であるからにして」
魔「ただ、具体的な条件は……まず、国境のだけど……」
国王「なるほど……だが、兵の配備に関しては……」

勇「(小声)……長いな。会談自体はうまく行ってるらしいが」
僧「(小声)い、胃が痛い……」
国王「休憩を取るかね? 私も、少々喉が渇いた」
魔「そうね、少しの間――え?」

ひどく耳に触る音を立てて、会場の壁が爆裂し、崩壊していく。

大臣「な……しゅ、襲撃!? 馬鹿な、警備は完璧だったはずだ!」
勇「この辺り全域に侵入負荷の結界が張ってあっただろう!? 施術したのは誰だよ!」
魔「私自身よ! 魔王を上回る魔力の持ち主なんて、この世界にいるはずが……ぁ」
僧「もしや……」
魔「父上――先代魔王!」


370 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/24(木) 22:01:05.38 ID:kgoN7lYf0
>>364
あまりの急展開にカップヌードルの蓋が開いた


371 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/24(木) 22:01:06.57 ID:54emnRM00
なんという・・・


372 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/24(木) 22:01:22.52 ID:Wq4iTcwD0
死亡フラグビンビンすぎる


377 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/24(木) 22:03:35.59 ID:1OFQOGeH0
先代魔王・・・だと・・・


383 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/24(木) 22:07:18.97 ID:V3migjev0
つーか魔王って先王が死なないでも世襲すんのかw


389 名前: ◆YdSufxMBLg [] 投稿日:2008/04/24(木) 22:10:43.98 ID:m4owsFVb0
>>364
国王「そうか、先代魔王。それが貴様の演じたい物語か」

スローモーション。
庇おうとする動きはあまりに遅い。

国王「だが、見くびるなよ。たかがこの程度で、我が国の民は間違いなどしない」

胸を張り、傲然と見据える。

国王「……が、っ」

魔力の矢は、過たず人間の王の心臓を貫いていた。


412 名前: ◆YdSufxMBLg [] 投稿日:2008/04/24(木) 22:25:12.46 ID:m4owsFVb0
>>389
国王「ぐ……ふ……」
大臣「へ、陛下!?」
僧「い、今傷を治します、絶対に治します……っ!」
国王「……よい。それより、この後だ」
魔「王よ。あれは、私たちの敵だわ」
国王「そう、これが、魔の裏切りではないというのなら……精魂を賭け、先代魔王を討て。魔王と勇者は、共に戦うべきだ」
勇「……そう、だな。そう、すべきだ」
大臣「陛下、しかしそれではこの国が立ちゆきませぬ! この時に陛下が亡くなられ、このまま停戦など!」
国王「後継を立てよ……あらゆる王は、いずれ死ぬのだから……」
大臣「だがしかし、陛下にお世継ぎは……!」
国王「ふふ。そこに、世継ぎなら、そこにいるではないか……」
奴「……え?」
大臣「まさか……姫? そなたが、陛下のご息女だったのか?」
奴「う、うそ……あ、あたしが、そんなわけ、ない」
国王「老いたり、とはいえ……娘の顔を、間違えるものか……」
奴「おとう……さま?」
僧「……陛下の娘は、賊どもに掠われ、殺された。そのはずだったけれど、違ったのね」
国王「ああ――懐かしい。故に、もう悔いはない」
勇「……信じたくなかったな。本当に、そうだったのか」
奴「お父様――うそ、待って! やだ、待って……!」
国王「済まないが、待てん。後の事は大臣に聞くがよい、凡人だが忠義者よ」
奴「あ……」
国王「私は、今、死ぬ」


444 名前: ◆YdSufxMBLg [] 投稿日:2008/04/24(木) 22:36:12.78 ID:m4owsFVb0
>>412
勇「…………」
魔「…………」
僧「…………」
魔「……準備はできた? 明日、魔軍の裏切り者を討ちに行くわ」
僧「あなたの、お父様……ですよね?」
魔「裏切り者よ。今となっては、名を与える必要も感じない」
勇「……奴隷ちんは?」
僧「公女殿下……は、城で、お休みされて、います」
勇「殿下ねえ。つーかマジか、夢でも見てるんじゃないかしらー。むしろ王様のとっさのハッタリじゃない?」
魔「現実逃避してる場合?」
勇「まーね。たとえハッタリでも、あいつが城から出られる訳じゃないんだし」
僧「あなたは、殿下……いえ、あの子を養子として迎えるつもりだったんですよね?」
勇「今となってはアレだけどな」
僧「……正直なところ、私もまだ混乱してます。ちょっと夜風に当たって、頭を冷やしてきますね」
勇「いってらー」
僧「後で、あなたも来てくれますか?」
勇「ん? ……うん」



456 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/24(木) 22:43:10.70 ID:wWJo83IQ0
勇者・・・勇者だから勇者並みに強い、と思う
    魔物の群れと戦って腹から臓物が飛び出た経験あり

僧侶・・・腹から臓物が飛び出た勇者を治してるとこみるとなかなかにレベルは高いんでなかろうか

奴隷・・・国王の娘発覚で潜在能力開k(ry
    奴隷として買われたころは戦闘能力皆無
    2人に稽古を付けてもらってたらしい

魔王・・・魔王だから強い、きっと
    詳しいことは不明だけどかなり強いみたい

魔王の父・・・先代魔王、引退したらしい
    魔王のかけた結界をぶっ壊すぐらい強い



458 名前: ◆YdSufxMBLg [] 投稿日:2008/04/24(木) 22:48:12.14 ID:m4owsFVb0
>>444
勇「よう」
僧「……はい」
勇「お疲れ? 肩でも揉む?」
僧「無理しなくていいですよ。あなただって、疲れてるでしょう?」
勇「……まあ」
僧「……静かですね。少し前にあんな事があったなんて、やっぱり嘘みたいです」
勇「でも嘘じゃないらしいね。そのうち公女殿下も、殿下じゃなくて女王陛下になってるかもな」
僧「寂しい、ですか?」
勇「んー……」
僧「無理しなくて、いいんですよ」
勇「……うん」
僧「ふふ。勇者様、かわいいです」
勇「なでる?」
僧「はい。なでなで」
勇「ひぎぃ!」
僧「あはは」
勇「いつになく弄ばれてる俺……」
僧「あなたも、誰かがそばにいなくなる事を、寂しいと思う事があるなら……ひとつだけ、頼んでいいですか?」
勇「なんだろうな」
僧「私を、あなたのお嫁さんにしてください」
勇「――――」
僧「そうすればずっと、寂しくなくて済みますから」


463 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/24(木) 22:49:21.77 ID:Wq4iTcwD0
おい
死亡フラグたてすぎだ。やめてくれ


465 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/24(木) 22:49:44.68 ID:So9fhgxg0
フラグたっちまった


486 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/24(木) 22:59:56.74 ID:JSkbA6xk0
多すぎる死亡フラグは身を守る…古き民の言葉じゃ


503 名前: ◆YdSufxMBLg [] 投稿日:2008/04/24(木) 23:09:17.74 ID:m4owsFVb0
>>458
僧「…………」
魔「お邪魔してもいいかしら?」
僧「どうぞ。最後の、夜ですから」
魔「珍しいものをはめてるじゃない。魂の焼棄の指輪ね」
僧「……ええ。神の祝福によって、戦闘における団体の士気と能力を極度に引き上げる指輪です」
魔「そして戦闘の終了の後、戦果と引き替えに使用者を確実に死亡させる」
僧「…………」
魔「その指輪は、自己犠牲の心根がある者だけを所有者として規定する。……でも、それは本当に祝福? やっぱり、呪いの類なんじゃない?」
僧「今となっては、どちらでも構いません。この指輪があの勇者に相応しくないことだけは、分かります」
魔「勇者様へのプロポーズ、受けてくれた?」
僧「……き、聞いてたんですか!?」
魔「聞こえちゃった」
僧「どうかと思いますよ? ……返事は保留みたいです。生きて帰れるか、分からないから、って」
魔「妥当なところね。私だって、ここで死ぬ訳にはいかないけれど、死ぬかもしれないし」
僧「……それでもなお、死ぬ訳には、いかないんです」
魔「指輪を使う気は、ないのね?」
僧「………………」


552 名前: ◆YdSufxMBLg [] 投稿日:2008/04/24(木) 23:32:26.74 ID:m4owsFVb0
勇「ここが、先代とやらの居場所か」
魔「ええ、先代魔王城跡……間違いないわ」
僧「……結局、あの子とは会えませんでしたね」
魔「覚悟ができたなら、扉を開けるわよ」
勇「その前に、ひとつだけ聞いていいか?」
魔「なに?」
勇「先代とやらが生きてるのに、どうしておまえが魔王の座を継げたんだ?」
魔「……父上は、狂っているからよ」
僧「…………」
魔「誰よりも強かったけど、ね」

そうして、彼らは扉を開けた。



576 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/24(木) 23:52:30.61 ID:1FSuTSq30
ドラクエは?が一番好きだな
キャラ作成でいろいろ中二病的な設定を妄想できるから・・・・・
非モテリア終の俺にとっては凄く有難かった


577 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/24(木) 23:53:11.01 ID:85YrNBBx0
>>576
あれ?俺書き込んでないぞ?


579 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/24(木) 23:55:12.98 ID:AnexzP4M0
>>576
もう後戻りできなくなったらウィザードリィ


612 名前: ◆YdSufxMBLg [] 投稿日:2008/04/25(金) 00:20:25.38 ID:n8yv/azA0
>>552
?「…………」
勇「……おまえが、か」
魔「私たちの敵よ。覚悟は、いいわね?」
?「…………」
僧「ひとつだけ、聞かせてください。あなたはどうして、会談を破壊し、戦争を続けさせるような事を……」
?「ゲ――ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!」
僧「……え?」
?「キキッ……キキキキ! 物語を回し続けろ! 本当の真実を! 真実の真実の真実の真実の妄想を!」
魔「……言ったじゃない。狂ってる、って」
?「戦争の凱歌を永遠を続けろ! 完全な錯綜! 我らはすべからく狂人であるべきだ! そうだ、そう、そうあるべきだ――」
勇「ああ。こいつはうるさい、黙らせるぞ」
僧「いきます……!」
?「そうだ。我を狂っていると言い、討ち倒すならば――王殺しの呪いを完遂したまえ、我が娘よ」
魔「……っ!」
?「そうだ、故にこそ呪われてあれ……!」
魔「黙りなさい――こいつの魔法は私が封じるわ!」
僧「勇者様――あなたの剣は私が守ります。全ての結界と治癒を駆使します、決して、立ち止まらせはしません」
勇「じゃあ、いっちょ俺はこの剣で、敵の首を叩き落とすとするかね」
?「そうだ! 世界を救え! 世界を救え!」
勇「世界を救うのは俺じゃない」
僧「え……?」
勇「救うのは、テキトーに平和なままでやっていきたい、全ての人間と魔物だ――さ、行くぞ」


643 名前:『最後の時間』 ◆YdSufxMBLg [] 投稿日:2008/04/25(金) 00:31:12.85 ID:n8yv/azA0
「しっ……!」

吐息すら弾丸のように熱い。
魔法の鎧の上に幾重もの結界を重ねがけし、勇者は黒い影めがけて走った。

「炎よ――」
「甘い!」

黒い影の魔術を、魔王は一息に打ち消す。

「神よ、神よ、神よ……!
 どうか、どうか、この戦いに生き残るだけの力をお与えください……!」

僧侶の精神の限界を越えた神聖魔法の連打。
配下の魔物の召喚を抑止し、場の邪気を払い、そして勇者の行く手を遮る邪悪な魔術を打ち払う。

「一撃で――!」

勇者が抜き放ったものは、王家より授けられた神代の名剣だ。
奴隷だった少女の名の下に、何かの約束のように渡された剣。
一撃だ。一撃で、終わらせる――

「――回れ」

影は笑う。
勇者よりも早く。
黒い影の抜き放った、漆黒の剣が、勇者の胴を貫いていた。


644 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/25(金) 00:32:02.04 ID:SZpZ4eEO0
鳥肌たった


650 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 00:34:25.54 ID:+oNVlbwqO
これは鳥肌
勇者カコイイよ勇者


668 名前:『最後の時間』 ◆YdSufxMBLg [] 投稿日:2008/04/25(金) 00:42:50.45 ID:n8yv/azA0
「が……!」

容赦など無い。
漆黒の剣は勇者の腹を抉り、臓腑を破裂させてゆく。

「……この剣が、勇者の死だ」

影は呟くように言って、剣を薙ぎ払った。
ごふ、と声をあげて、彼はボロ切れのように転がる。

「……っっ!!」

一瞬にして、僧侶の人生の中で最高に研ぎ澄まされた治癒魔法が発動する――それなのに、傷の治りは遅い。
漆黒の剣の呪い。それを、彼女は打ち払う事ができない。

「この……!」

魔王の一喝と共に、無数の魔力の槍が影めがけて飛ぶ。
ドラゴンすら串刺しにする威力を秘めたその魔術も、しかしこの戦いの中では足止めに過ぎない。

「拒絶せよ!
 愛を! 憎悪を! 善を! 悪を! 拒絶を! 受容を! 世界を! 世界以外の全てを!」

まるで哄笑するような絶叫。
影は手を高々と上げ、

「全ての物語は、破壊される事で完結を拒否する――!」

先の魔術に数倍する炎が、空間全てを呑み込んだ。


682 名前:『最後の時間』 ◆YdSufxMBLg [] 投稿日:2008/04/25(金) 00:50:13.75 ID:n8yv/azA0
炎が消え去った後も、人影は健在だった。

「……まだ、です」

僧侶と魔王の魔術が組み合わさり、発動した、完璧に近い結界――

「……このっ……くらいで、死ぬものか……!」

それが影に敵対する者を、炎から保護している。

「そうだとも」
「……え?」

影は悠然と、結界が維持されている合間に、魔王へと歩み寄っていた。

「ガ……!?」

殴る。
殴る。
殴る。
鉄塊よりも堅い影の拳が、集中の直後の魔王の肢体を、微塵に叩き潰すように打ち据えていく。

「や、やめなさい――っ!」

僧侶の張った結界。それすらも、影の拳は殴り壊していった。

「そんな……」

激甚な魔術の連発による、精神の疲弊。
勇者という最大の戦力は斃れたままで、これから使える魔術も弱まっていき――だというのにこの敵には、傷ひとつたりともついていない。


683 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/25(金) 00:51:44.28 ID:wYtvs+NZ0
これは奴隷が応援にかけつけるな!?


688 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 00:52:31.66 ID:u6CMVgnB0
>>683
黙ってわっふるわっふるしてなさい


706 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/25(金) 00:59:02.29 ID:kvvmBZjn0
なんという最終決戦


709 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 01:00:31.19 ID:2EYWpkzNO
ROMってたけど…

僧侶、死ぬなよっ


717 名前:『最後の時間』 ◆YdSufxMBLg [] 投稿日:2008/04/25(金) 01:03:21.45 ID:n8yv/azA0
スローモーション。
僧侶は思考する。

「は……あ……」

このままでは、間違いなく魔王は死ぬ。
そして影は勇者にとどめを刺し、疲弊した僧侶も殺すだろう。
……その後、この世界はどうなるのだろうか。
当代の魔王が消え、この影は殺戮を繰り返し、主戦派が実権を取り戻し、世界は再び戦禍の中で磨り潰されていく。
勇者のした事は何の意味もなく、全ての平和を願う意志も価値はなかった事になる。

――だってあたしは、たとえ。

奴隷――だった少女の言葉が、僧侶の脳裏で蘇った。

――だってあたしは、たとえゆうしゃさまのために死んでも、ゆうしゃさまを恨みはしないから。

痛み。
右手の中指――指輪をはめた指が、ひどく痛む。

――それでもあなたを、信じているのではないでしょうか?

ああ。……ねえ、きみは本当に凄いよ。
私はたった今まで、自分の勇者を信じきる事ができなかった。

スローモーション。魔王が倒れる。
黒い影が、勇者の首の上で剣を振り上げた。

――あなたに神の祝福あれ。
今こそ私は、すべき事を行おう。


719 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 01:04:08.53 ID:Om3sfS5d0
使っちゃうのか…僧侶…やっぱり逃れられないのか


720 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 01:04:10.73 ID:+oNVlbwqO
僧侶おおおおおお


724 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 01:04:57.15 ID:mUlVS05o0
早まるなああああああ


725 名前:『最後の時間』 ◆YdSufxMBLg [] 投稿日:2008/04/25(金) 01:05:03.30 ID:n8yv/azA0
>>717

行動安価 >>735
[指輪を使う← →指輪を使わない]


(指輪の詳細 >>503)


728 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/25(金) 01:05:34.15 ID:6X9QKNVQ0
ここで安価…だと…



735 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 01:06:05.01 ID:hRg9rZaN0
使う



748 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 01:07:22.96 ID:XzitXIrh0
>>735
心から僧侶に死なないでもらいたいと思っている俺だが
おまいはGJだと思う
今夜は泣くぜ


789 名前:『最後の時間』 ◆YdSufxMBLg [] 投稿日:2008/04/25(金) 01:14:45.29 ID:n8yv/azA0
>>735
指輪が、強く輝いた。
まるで、燃え尽きる寸前の蝋燭の、最後の輝きのように。

「……たたか、って」

僧侶は、血を吐くような呟きを搾る。

「戦って、戦って、戦ってよ……!
 お願い、最後まで戦って! 私のために! あなたと、最後まで戦いたいの――!」

「ああ――」

剣閃。

「――戦うとも」

勇者の白銀の剣は、漆黒の剣を受け止めていた。

「……そう、ね。さいごまで、たたかわ、ないと」

死亡寸前の傷を自己治癒しながら、魔王が立ち上がる。
黒い影から噴き出さんとする炎は、その片鱗すら見せずに打ち消された。
そして勇者の動きは時を追うごとに速く、力強くなっていく。
魔王と僧侶の、二人がかりの魔術の成果だった。

「ああ――」

楽しい、と僧侶は思った。
自分の生命が砕けていく確かな手応えを感じながら、勇者の剣の響きが心地良くてたまらない。


832 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 01:23:11.08 ID:RzuPDg30O
前スレの指輪を誰に渡すかって安価で僧侶を選んだ奴責任とれよ!


840 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 01:24:22.35 ID:Kmu6WaSgO
>>832
じゃあ奴隷に渡して奴隷に使わせればよかったのか


842 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 01:25:01.17 ID:zsLy7rC60
>>840
魔王にすればよかったんじゃね?


844 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/25(金) 01:25:36.94 ID:wYtvs+NZ0
>>842
国王にあげればよかったんだよ


846 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 01:25:50.29 ID:qyBnfv4rO
>>842
村長を仲間にすれば良かったんじゃね?


847 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 01:25:52.97 ID:ObgBP5nJ0
>>844
いや大臣だろ


849 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 01:26:23.69 ID:Kmu6WaSgO
>>842
そんとき魔王いねーだろwww



あ、村長忘れてた



851 名前:『最後の時間』 ◆YdSufxMBLg [] 投稿日:2008/04/25(金) 01:26:45.12 ID:n8yv/azA0
「……勝つ……!」

劣勢から互角へ、互角から優勢へ。
勇者の剣舞は鬼人の域に入り、黒い影の動きを圧倒していた。
あと一手。
あと一手で、影の心臓は貫かれるだろう。

「そうだ! そうだとも! これだ! ああ――なんとも、楽しいではないか!」

自分がまさに滅ぼされんとするその時ですら、影は言葉を止めなかった。
戦う事も、勝つ事も、滅ぼされる事にも、何も違いはないと言わんばかりに。

「……ええ。それだけは、私も同意見です」

勇者が口元を引き結ぶ。

「さようなら、父上――」

魔王の呟き。なぜかその表情は、勇者のそれに似ていた。
笑っているようにも、泣いているようにも、その顔は見えた。

「ああ、本当に――楽しかった」

白銀の剣が、黒い影を貫く。
その直後僧侶の視界は真っ赤に染まり、次いで白くぼやけていった。


857 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/25(金) 01:28:25.40 ID:NUteDdfE0
ああああああああああああああああああああ


861 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/25(金) 01:28:53.09 ID:W1jHLVwa0
あああああああああああああああああああああああああああああああ



883 名前:『最後の時間』 ◆YdSufxMBLg [] 投稿日:2008/04/25(金) 01:36:49.72 ID:n8yv/azA0
「……おい?」

勇者が心配げに自分の手を取る。
それが僧侶に理解できた、この世の最後の光景だった。


「――“魂の焼棄の指輪”――」

誰かが何かを話している。
それが誰なのか、誰の名前なのか、耳から心が砕けて理解できない。

「魂が――砕けて――燃え落ちる――」
「たとえ蘇生魔法であっても――復活は――」

理解できない。
自分が何だったのか、誰のために何をしていたのか。
ただ、ひどく申し訳ない気分だった。


891 名前:『最後の時間』 ◆YdSufxMBLg [] 投稿日:2008/04/25(金) 01:38:48.01 ID:n8yv/azA0
「――××××××!」
「……! ××! ××××××……!」

ごめんなさい。
ごめんなさい。
わたしは、こうして死ぬまで、ずっとさびしくなかったです。
ひとりで幸せに死んで、いけないことです。

「………………」

ごめんなさい。
さびしがらせてごめんなさい。
どうか、どうか、誰かといっしょになってください。
誰かのために、自分のために、その人に優しくしてあげてください。

「……さよなら」

唇が塞がれる。
僧侶だった女の心臓は、その時静かに停止した。




959 名前:『最後の時間の、少しだけ後』 ◆YdSufxMBLg [] 投稿日:2008/04/25(金) 02:01:10.46 ID:n8yv/azA0

そして、世界は救われた。

* * *

勇者「おーい、奴隷買ってきたぞー」
奴隷「…………」
勇者「奴隷買ってきた。いわゆる人身売買、略してジバってやつ」
奴隷「よろしいでしょうか?」
勇者「なんすか」
奴隷「一体あなたは、誰に向かって話しているのですか?」
勇者「あるじゃないですか。目の前に、立派なのが」
奴隷「……この墓が?」
勇者「うん。墓参りがてら、ちょっと報告をな」
奴隷「お知り合いの墓標、ですか」
勇者「ああ、僧侶をやってた」
奴隷「……お仲間、だったのですか?」
勇者「仲間だし、友達だし、家族でもあったかもしれない」
奴隷「家族……? 血が繋がっていたのですか?」
勇者「いや、ちょっと結婚などしてみた。死ぬ前に、一瞬だけ」
奴隷「……?」



962 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 02:02:00.59 ID:Om3sfS5d0
エンディングktkr


965 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/25(金) 02:03:12.62 ID:SZpZ4eEO0
乙。







乙。


975 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 02:06:06.75 ID:jJj80XPA0
乙でした


978 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/25(金) 02:07:27.00 ID:dC+htdb70
指輪を渡した時点でダメだったのか



984 名前:『最後の時間の、少しだけ後』 ◆YdSufxMBLg [] 投稿日:2008/04/25(金) 02:09:07.13 ID:n8yv/azA0
魔王「やっほー。元気にやってる、元奴隷?」
女王「……疲れました。さがさないでください」
魔王「雑務って大変よね。押しつけられるところは押しつけた方が良いわよ? 仮にも王なんだし」
女王「大臣さんとか、みんな忙しいから、わたしもちょっとは手伝わないと……」
魔王「ま、今は忙しくした方が気が紛れるかもね」
女王「……そうりょ、さま」
魔王「……あの戦いで、私はできる事を全てやった。でも、たったそれだけしか、できなかったのね」
女王「…………わたしは、なんにも、できなかった。お城の中に、こもってるだけで」
魔王「――ただ存在するだけで、たった一人の人間である事で価値を持つ」
女王「え……?」
魔王「そんな人間だって、存在するのよ」
女王「……」
魔王「そうじゃない? ……ねえ?」


997 名前:『最後の時間の、少しだけ後』 ◆YdSufxMBLg [] 投稿日:2008/04/25(金) 02:14:27.28 ID:n8yv/azA0
――だから俺は、俺のやりたいようにやろうと思う。

また奴隷を買った。今度は妙に質問が多くて身体が弱い、とりあえず殺さないよう頑張ってみようと思う。
この奴隷とどうなるかは分からない。金で繋がる関係で終わるのかもしれないし、それはそれでいい。
けれど本当は、その上の関係を見たいと思っているけれど。

女王陛下とはさすがにもう会いづらいが、手紙くらいは出してみたい。
もしかしてまた顔を会わせられたら、頭を撫でたい。不敬罪で打ち首になる危険を犯す価値はある。
たまには魔王とも会ってみようか。その時は手でも繋いで歩いてみようか。
僧侶とも会いたいけれど、会えないので、会えない時には泣いてやろう。

いつかこの身が朽ち果てて、あいつと本当にまた会える時には、せめて笑えるように。


(おわり)


998 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 02:14:38.40 ID:fAj5jEUd0
>>997



999 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/25(金) 02:14:43.05 ID:ygbU90Mj0






アフィ
『メール便発送OK!DQIII 僧侶:女 』

つり目な僧侶。
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コメント
この記事へのコメント
感動した感動した感動した感動した感動した感動した
2008/04/25(金) 03:37 | URL | 語る程の名前はない #-[ 編集]
これは全米だな
2008/04/25(金) 03:52 | URL | 語る程の名前はない #-[ 編集]
僧侶を生き返らせる旅が始まるんですよね、わかります……


(ノД`)
2008/04/25(金) 05:16 | URL | 語る程の名前はない #YHInhhNk[ 編集]
イイハナシダナー
2008/04/25(金) 05:24 | URL | VIPPERな名無しさん #-[ 編集]
この安価取った奴恨むぞ・・・
2008/04/25(金) 06:07 | URL | 語る程の名前はない #F47yw14Y[ 編集]
やはり僧侶は逝ったのか・・・・・
魔王、奴隷、僧侶で勇者と一緒に
ってEDは流石にご都合主義過ぎたのかな
2008/04/25(金) 07:16 | URL |   #-[ 編集]
イイハナシダナー(´;ω;`)
2008/04/25(金) 08:15 | URL | ななす #8gfOIHpU[ 編集]
これは感動wwRPG的だから文章が厨二っぽくても違和感無いな
2008/04/25(金) 09:08 | URL | VIPPERな名無しさん #-[ 編集]
勇者から黒須太一の香りがして脳内変換されてしまった件
2008/04/25(金) 09:12 | URL | 語る程の名前はない #tIzNQ2cE[ 編集]
( ;∀;)イイハナシダナー
2008/04/25(金) 13:00 | URL | VIPPERな名無しさん #-[ 編集]
全米が俺;;;;;;
2008/04/25(金) 13:13 | URL | 語る程の名前はない #mQop/nM.[ 編集]
切ねぇーっ。・゚・。・(ノД`)・゚・。
2008/04/25(金) 15:38 | URL | 語る程の名前はない #-[ 編集]
感動した
この終わり方も良いと思うけど
やっぱり僧侶には生きていて欲しかったな
これはこれで好きだけどね・・・
2008/04/25(金) 15:42 | URL | 蒸発した名無し #-[ 編集]
久しぶりに涙目
2008/04/25(金) 15:48 | URL | Hellvlem #-[ 編集]
一気に読んでしまった
凄くすごくスゴク感動した
今電車で顔ふせてプルプルしてる奴いたら、確実に俺
2008/04/25(金) 16:56 | URL | 語る程の名前はない #-[ 編集]
ひさびさに読める作家さんだったな
こういうのをみると、やはりDQは名作だな
設定の曖昧さが更なる想像力を引き立て、プレイヤーを冒険へとひきづりこむ
しっかりした流れのFFもおもしろいが、やはり俺はDQ派だな
2008/04/25(金) 17:55 | URL | 蒸発した名無し #-[ 編集]
ちょwwwwwwwwないた
2008/04/25(金) 18:32 | URL | VIPPERな名無しさん #-[ 編集]
ひさびさにきた・・
僧侶・・
2008/04/25(金) 19:42 | URL | VIPPERな名無しさん #-[ 編集]
このユルカッコイイ勇者最高すぎる。
普通に涙目になっちまった。
2008/04/25(金) 20:00 | URL | 語る程の名前はない #-[ 編集]
米欄がちょっとキモイけどいい話でした
2008/04/25(金) 20:22 | URL | VIPPERな名無しさん #-[ 編集]
昔こうやって脳内で色々ストーリー作りながらドラクエ3やってたのを思い出した
2008/04/26(土) 00:08 | URL |   #-[ 編集]
ダメだ、涙腺緩くなってる…。
2008/04/26(土) 10:09 | URL | VIPPERな名無しさん #meToSL5w[ 編集]
ブラヴォ
その一言に尽きる
2008/06/06(金) 06:43 | URL | VIPPERな名無しさん #-[ 編集]
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