スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

コードギアス 童話風のルルーシュ2/2

『コードギアス 童話風のルルーシュ 』
の続き。
「かぐや姫」>>294->>335
「3匹の子豚」>>399->>465
「人魚姫」>>663->>702
「幸福の王子」>>759->>862
「あとがき」>>876

294 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 20:31:25.58 ID:VOQpUkO80

「かぐや姫」 

むかしむかし、あるところに竹取りを仕事とするおじいさんがいました。
ある日、おじいさんが竹藪に入ると、その中に一本、黄金に輝く竹がありました。

扇 「不思議な竹だ。切ってみよう」

扇 「そーれ!!」

おじいさんが竹を真横にかちわると、なんと中から真珠の様に可愛らしい赤ん坊が出てきました。
おじいさんはたいそう驚き、大事に赤ん坊をかかえて家へと戻りました。


297 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 20:36:41.06 ID:VOQpUkO80

扇 「おばあさん!! 赤ん坊だ! 赤ん坊が出てきたぞ!!」

カレン 「おじいさん……。 それはどこのどいつの子だああああ!! 答えろ!!」

扇 「ま、待て! 落ち着け!!」

カレン 「落ち着いてられるかああああ!! 行くぞ、紅蓮弐式!!」

扇 「だから違うって!! 竹の中から……」

カレン 「うるさい! これが世で流行の熟年離婚だああああああ!!」

おじいさんの浮気を疑って、紅蓮弐式を起動させようとするおばあさんをなんとかなだめて、おじいさんはことの経緯を話しました。
それを聞いたおばあさんは、とたんに上機嫌になり、赤ん坊を大事に育てよう、と二人で約束しました。
そして二人は、この赤ん坊を「かぐや姫」と名づけました。

かぐや姫は、すくすくと元気に、それでいてとても美しく成長していきました。
その美しさはたちまち都で有名になり、沢山の貴族、果ては皇族までやってくる騒ぎとなった。


303 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 20:41:11.05 ID:VOQpUkO80

玉城 「おーい、かぐやの君よ!! 俺だ! 中納言が迎えにきたぞ!!」

扇 「かぐや姫、中納言様がお見えになっているぞ」

神楽耶 「お断りです! だって中納言様、口ばっかなんですもの!!」

マオ 「かぐや姫?! 僕が来たよ?!!」

カレン 「かぐや姫、大納言さんがいらっしゃったよ」

神楽耶 「お断りです! だって大納言様、私の心を読み取るんですもの!!」

皇帝 「オール・ハイル・ブリタニアアアアアアア!!」

扇 「かぐや姫、皇太子様が……」

神楽耶 「お断りです!!」


304 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/20(日) 20:41:50.04 ID:8pZgU5y+0
ロクな奴がいねぇwwwwwwwwwwwwww


307 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 20:44:52.20 ID:VOQpUkO80

しかしかぐや姫は、どんなに名声を受けていても、どんなに財産があろうとも、どんなに地位が高くとも、誰一人としてその顔を見せようとはしませんでした。
もちろんそれには、理由がありました。

神楽耶 「拝啓、ルルーシュ様。今宵の満月はとても美しく……」

神楽耶 「……だめです。今日は書ける気がしません」

神楽耶 「ルルーシュ様……。私の将来の夫、ルルーシュ様……」

そう、かぐや姫は恋をしていたのです。
その青年はルルーシュといい、かぐや姫の屋敷の使用人でした。
それゆえ、かぐや姫はおじいさんとおばあさんに打ち明けることもできず、日々悩んでいました。


309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 20:47:07.93 ID:VOQpUkO80

ある日、ルルーシュが屋敷の清掃をしていました。
それを見つけたかぐや姫は、ルルーシュのもとに駆け寄ります。

神楽耶 「ルルーシュ様!! お待ちしておりました」

ルルーシュ 「おやめ下さい、お姫様。私のようなものに、様付けなど」

神楽耶 「いいのです! これは私の命令です。様付けをさせなさい!!」

ルルーシュ 「ははっ、姫様の頼みとあらば断るわけにもいかないな」

神楽耶 「はい!!」

それからかぐや姫は、ルルーシュと楽しくお話をして過ごしました。
ルルーシュと話していると、かぐや姫は普段見せないようなとびきりの笑顔を見せました。


310 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 20:49:25.55 ID:WcbLS9390
皇帝の息子が使用人とかwwwwwwwww


311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 20:50:14.72 ID:VOQpUkO80

ある晩、おじいさんとおばあさんがかぐや姫を呼び出しました。

神楽耶 「なんですか? お話って」

扇 「かぐや姫、お前はどんなお方の求婚も頑なに断ってきたな」

カレン 「今まで、なにかそうとうな理由があるのかと思っていたわ」

扇 「だが、かぐや姫。私たちはがっかりだ。まさかその理由が……あの使用人だったなんて」

神楽耶 「!!」

扇 「私たちはあまり良く思ってないのだ。あの使用人である、ルルーシュという男にお前が好意を寄せることを」

カレン 「かぐや姫、考えなさい。末永い幸せを考えたときに、あなたはやはり皇族たちと……」

神楽耶 「お断りします!!」

扇 カレン 「!!」


312 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 20:53:23.76 ID:VOQpUkO80

神楽耶 「なぜ、愛してもいない方と一生を共にしなければいけないのですか!?」

神楽耶 「なぜ、長く豊かに暮らすことを、幸せとするのですか!?」

扇 「かぐや姫……」

神楽耶 「私には、私にはもう……。長い時間など残されていないというのに」

扇  カレン 「……」

神楽耶 「月は、もう近い……」

かぐや姫は悲しそうな顔をすると、そのまま無言で立ち去ってしまいました。
おじいさんとおばあさんは、その様子をただ見ていることしかできませんでした。


316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 20:56:45.16 ID:VOQpUkO80

それから、かぐや姫の様子は変わっていきました。
毎日毎日部屋にこもり、夜には月を眺めます。おじいさんおばあさんとも口を利かなくなり、食事もとらなくなりました。
おじいさんとおばあさんは、かぐや姫は病に伏せられたと皇太子達に伝えました。

ある満月の晩、おじいさんとおばあさんは、かぐや姫のことで話し合いをしていました。

扇 「やはり、あの使用人を解雇したから……」

カレン 「それで、かぐや姫は……」

二人が自分たちの行為を悔いていると、襖が開きました。
そこには、かぐや姫が立っていました。

神楽耶 「それは違います。おじいさん、おばあさん」

神楽耶 「これにはわけがあるのです……」

かぐや姫は、ゆっくりと理由を話し始めました。


318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 20:59:43.01 ID:VOQpUkO80

かぐや姫は、この世界の人間ではないこと。
手違いによって、竹の中に生れ落ちたこと。
本来は月の世界の住人であり……今宵、月の使者のお迎えがくること。

神楽耶 「私はもう月の世界に帰らなければなりません。」

神楽耶 「ルルーシュ様に会えないことは悲しいことです」

神楽耶 「でもそれ以上に、私はお二人と別れることが悲しいのです。私の……お父さん、お母さん」

扇 「かぐや姫……」

カレン 「うぅ……」

神楽耶 (ごめんなさい……)

このとき、かぐや姫は嘘をつきました。
かぐや姫の心は、おじいさんとおばあさんより、ルルーシュのことを思っていたのです。その思いは、彼女自身にはどうすることもできません。
しかし、今までお世話になった御恩として、とても小さな、しかし大きな嘘をついたのでした。


321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 21:03:17.11 ID:VOQpUkO80
その夜、おじいさんとおばあさんは皇太子たちに頼み、屋敷の周りを護衛してもらいました。
月の使者が来ても、かぐや姫を連れて行かれないようにするためです。

扇 「かぐや姫、お前は私たちの娘だからな」

カレン 「私たちが、絶対守るからね」

神楽耶 「……」

そして、月が完全に満ちた頃、月の使者たちはやってきました。

シュナイゼル 「おお、かぐやよ。わが娘、美しきかぐやよ」

コーネリア 「ずいぶん美しく育ったものだ。そこの二人、礼を言う」

扇 カレン 「……」

神楽耶 「父上、母上……」

おじいさんおばあさんはおろか、護衛人さえも、そのあまりの神々しさに動くことはできません。

神楽耶 (ルルーシュ様……)

かぐや姫が、月の牛車に乗ろうとした、そのときでした。


324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 21:06:39.59 ID:VOQpUkO80

ルルーシュ 「ちょっと待ってくれ!!」

神楽耶 「ルルーシュ様!!」

シュナイゼル 「なにものだ?」

ルルーシュ 「ただの使用人だ。いや、元・使用人と言うべきか。……あなたたちに、言いたいことがある」

コーネリア 「……」

ルルーシュ 「今まで娘を放っておき、突然やってきて、あげくの果てに育ての親から娘を奪うとはなにごとか!!」

シュナイゼル 「!!」


325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 21:09:06.23 ID:VOQpUkO80

ルルーシュ 「それが子に対する、親のすべきことなのか? 傷つく人ばかりで、自分たちさえ良ければどうでも良いのか!?」

コーネリア 「すまなかった。本当にすまなかった……」

ルルーシュ 「……泣き落としなぞ」

シュナイゼル 「……元・使用人さん。私たちの行為は、決して許されるものではない。だが……」

シュナイゼル 「私たちも苦しかった。この行為が、どれだけの人を傷つけるかと思うと」

シュナイゼル 「だがそれに耐えてここに来たのは……やはりわが娘のことを、それだけ愛しく感じているだと思っています」

神楽耶 「……」


326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 21:09:16.90 ID:4YwLLNwL0
正論すぎて吹いたw


327 名前:なんか臭くてごめん[] 投稿日:2008/04/20(日) 21:11:35.59 ID:VOQpUkO80

ルルーシュ 「……。よかろう、ならば試してやる」

ルルーシュ 「あなたがたの愛の深さをな!! ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる、あなたがたはその愛の深さだけ涙の粒を流せ!!」

パァァァァァァァァァ!!

シュナイゼル 「う、う、うぅ……。う、うう、私の娘よ……!!」

コーネリア 「うっ、うっ、私は、私は……お前を……愛しているぞ」

二人の涙は、たちまち川となり、湖となり、そしてとうとう一つの大きな海を作り出しました。
二人はそれほど、かぐや姫を愛していたのです。


329 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 21:13:32.11 ID:VOQpUkO80

ルルーシュ (……そうか。私は愚かだった)

彼は、それを見てひしひしと感じました。
やはり血の繋がりというのは、かけがえのないものなのだと。

ルルーシュはかぐや姫の手を握り、そっと言います。

ルルーシュ 「姫様、あの二人のところにおられればきっと幸せに過ごすことができるでしょう。……今以上に」

神楽耶 「……」

ルルーシュ 「私めの茶番により、ご出発の儀を汚してしまい申し訳ありませんでした」

ルルーシュ 「せめて、お見送りだけは……」

神楽耶 「なりません!!」


330 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 21:15:42.87 ID:VOQpUkO80

叫んだかぐや姫の瞳には、うっすらと涙の膜がはっていました。
彼女はそれに思いを込めるように、ルルーシュに向かって叫びます。

神楽耶 「どうして、どうして愛するものの側を、永遠に離れることができましょうか!?」

神楽耶 「最愛の人がいない世界に、本当の幸せなどあるのでしょうか!?」

神楽耶 「私は、私はこんなにあなたを愛しているのに……」

涙は思いとなって、溢れ出しました。
彼女の思いを受け止めると、ゼロはかぐや姫の両頬を手で包みます。


333 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 21:17:05.80 ID:VOQpUkO80

ルルーシュ 「私も、あなたを愛していました」

神楽耶 「じゃ、じゃあ……」

ルルーシュ 「しかし、それ以上にあの二人はあなたを愛しています。私の涙では、せいぜい湖程度しかできません」

ルルーシュ 「そうです、姫様。永遠に幸せでいられるのです」

神楽耶 「ルルーシュ様……?」

ルルーシュ 「最後に、一つだけ願いがあります。私を愛しているのなら、私の目をその大きな瞳で見つめて下さい」

神楽耶 「はい……」

ルルーシュ 「さようなら、かぐや姫。……ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命ずる――」


335 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 21:19:17.30 ID:VOQpUkO80
それからすぐに、かぐや姫は月へと帰っていきました。
おじいさん、おばあさんはたいそう悲しみ、病に伏してしまいました。

一方ルルーシュは、満月を見つめながら懺悔をしていました。
小さな嘘をついたという、大きな罪を――。

ルルーシュ (姫様、本当は私は……)

星が、ゆっくりと流れていきました。


それから数十年後、あのときできた涙の海は「かぐやの海」と名づけられていました。
表向きの、一般に伝わっている呼び名は――「愛の海」。
しかし、ただ一人の男だけは、自分を戒めてこう呼んだそうです。

「偽りの海」と。


「かぐや姫」 おしまい


336 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 21:20:48.08 ID:a4mu+mD00
感動した

337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 21:20:50.85 ID:MI4QYyr9O
>>335
キュンとしたwGJ!


339 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 21:21:01.58 ID:VOQpUkO80
なにこのお涙頂戴の物語 ガチガチすぎんだろwwww死ねwwww

>二人の涙は、たちまち川となり、湖となり、そしてとうとう一つの大きな海を作り出しました。
>二人はそれほど、かぐや姫を愛していたのです。

こことか、もうね。書いてて笑っちゃったよ。俺アホーwwww
でも童話って、こういう表現あってのものかなーと思ったり

すんません、すんません、すんません

しかも書き溜めきれた\(^0^)/


399 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 22:54:45.08 ID:VOQpUkO80

「三匹の子豚」 

むかしむかし、あるところに三匹の子豚がいました。
一番年下の子豚は、スザク。
真ん中の子豚は、ジェレミア。
一番年上の子豚は、ルルーシュといいました。

ある日、三匹のお母さんがこう言いました。

咲世子 「三匹とも、よく聞いて下さいね。あなたたちはね、今日からこの家を出なければいけないのよ」


401 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 22:57:29.65 ID:VOQpUkO80

スザク 「わかりました、お母さん」

ジェレミア 「承知いたしました、お母様」

ルルーシュ 「何故です? お母さん」

咲世子 「なにがなんでもです。あなた達は、それぞれ各自で家を建ててもらいます」

スザクは正直者、ジェレミアは心優しいのですが、ルルーシュはちょっと捻くれていました。
咲世子はルルーシュの性格を直すためにこの計画を思いついたのですが、ルルーシュだけでは拗ねてしまうので、三匹同時にしたのでした。


407 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 23:00:58.84 ID:VOQpUkO80

こうして、三匹は家を出て、大野原に各自の家を建てることになりました。
スザクはちょっと自信なさげ、ジェレミアは上の空、ルルーシュは自信たっぷりのようです。

ルルーシュ 「なあ、君たちはどんな家を建てるつもりなんだい?」

スザク 「僕はとりあえず、頑丈な家を作ろう」

ルルーシュ 「ふっ、その程度か。機能性・便利性なくては、いずれその家に飽きよう」

ジェレミア 「私はとりあえず、庭で果物を育てようと思う」

ルルーシュ 「ほう、趣味を取り入れるか。しかし、それでは住居性に乏しくなるだろう」

スザク 「じゃあ、兄さん。あなたはどんな家を建てるんですか?」

ルルーシュ 「ははっ、それは見てのお楽しみさ」

スザク (う、うぜえ……)


410 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 23:03:15.16 ID:3MIUEN0+0
スザクに言われちゃおしめえよwwww


411 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 23:03:44.79 ID:97XkLzXX0
スザクにうぜぇって言われてるwwwww


412 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 23:04:21.27 ID:4YwLLNwL0
スザクの自覚の無さは異常w


413 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 23:04:25.03 ID:VOQpUkO80

三人の間に不穏な空気が流れましたが、なんとかみんな取り繕いながら進んでいきます。
そして大野原に辿り着いたところで、三人は別行動をすることにしました。

まず、三男のスザクは頑丈なレンガを探しにいきます。
街までいって、レンガを大量にわけてもらいました。

スザク 「これだけレンガがあれば、立派な家ができるぞ!!」

スザクはせっせと作業を始めました。

次男のジェレミアは、オレンジの木を探しに行きました。
森までいって、大量のオレンジをわけてもらいました。

ジェレミア 「これさえあれば、寒さもしのげるぞ!!」

ジェレミアはオレンジの中に体をうずめると、いびきをかきはじめました。
どうやら彼の家は、完成したようです。


417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 23:05:53.93 ID:cbUjWEBJ0
ジェレミアwwwwwwwww
家ですらねえw


419 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 23:08:08.28 ID:VOQpUkO80

さて、長男のルルーシュはどうでしょう。
なにやら、携帯電話を片手に指示を出しています。

ルルーシュ 「ああ、P班は鉄筋を用意しろ。もちろん数はごまかすなよ」

ルルーシュ 「扇たちは、コンクリートとセメントを用意してくれ。道具一式も忘れずにな」

ルルーシュ 「四聖剣はそうだな、タイルとバスタブを用意してくれ。憩いの場もほしい」

ルルーシュ 「ああ、よろしく」

ルルーシュ (パーツは揃った……)

ルルーシュは電話を切ると、彼らが到着するのを待ちました。


426 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 23:12:06.54 ID:VOQpUkO80

夜になると、それぞれの家が完成しました。
スザクの家は、レンガ造りの頑丈な平屋。

スザク 「暖炉あたたかいな……」

ジェレミアの家は、オレンジ畑。

ジェレミア 「私は貴族だ。貴族なんだ……」

ルルーシュの家は、3DKユニットバス二階建ての邸宅。

ルルーシュ 「耐震性、耐火性、防犯……全て完璧だ」

それぞれ、自分の家でくつろいでいました。

しかし、そのときです。
森のほうから、轟音が響きます。


429 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 23:15:24.95 ID:VOQpUkO80

カレン 「うおおおおおおおおおおお!!」

なんと紅蓮弐式にのった狼、カレンが大野原へ降りてきたのです。
目的はわかりませんが、このままでは彼らの家は大変なことになってしまいます。

まず、カレンはジェレミアの家へやってきました。

カレン 「子豚くん、子豚くん、中にいれておくれ……って、玄関もないただのオレンジ畑じゃないかああああ!!」

ジェレミア 「な、なんだ!?」

ジェレミアは何故かカレンの逆鱗にふれ、家(オレンジ畑)を燃やされてしまいました。
家を失くしたジェレミアは、急いでルルーシュの家へと逃げ込みます。


435 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 23:18:19.59 ID:VOQpUkO80

――ルルーシュの家

ルルーシュ 「ふふふ、はーっははっはっは! この家は僕だけの世界だ!!」

ルルーシュ 「私はここに、ルルーシュ王国の建国を宣言する!!」

ジェレミア 「兄さん、一人のときはこんなことを……」

ルルーシュ 「……」


439 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/20(日) 23:21:02.03 ID:8pZgU5y+0
ワンルーム建国すんなwwwwwwwwww


441 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 23:22:18.60 ID:VOQpUkO80

ルルーシュ 「いつの間に入った!?」

ジェレミア 「そんなことより大変だ!! 火を吐く狼に襲われた!! じきにここも襲われる!!」

ルルーシュ 「安心しろ、この家は耐火性もばっちりだ……。な、なんだ!?」

次の瞬間、玄関がまるごと吹き飛ばされました。
どうやら、紅蓮弐式が突っ込んできたようです。

ルルーシュ 「なにが狼だ!! ナイトメアじゃないか!!」


443 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 23:26:10.72 ID:VOQpUkO80

カレン 「子豚くん、子豚くん、中にいれておくれ……って、もう中に入ってるじゃないかああああああ!!」

ルルーシュは何故かカレンの逆鱗にふれ、家を内部から破壊されてしまいました。

ルルーシュ 「なんということだ。これが狼……違いすぎる」

ジェレミア 「早くしろ! スザクの家へ逃げないと!!」

ルルーシュ 「く、くそ! ナイトメアが家を壊しにくるというのはイレギュラーだった……」

ジェレミア 「いいから早く!!」

二人は、急いでスザクの家へ向かいました。


447 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 23:30:26.73 ID:VOQpUkO80

――スザクの家

ルルーシュ 「スザク!! スザク!!」

ルルーシュとジェレミアは必死にドアを叩きます。

スザク 「兄さんたち! どうした!!」

ジェレミア 「とりあえず、中へ入れてくれ!!」

スザクは二人を家の中へ案内し、温かいお茶を入れてあげました。
そして二人を落ち着かせると、事情を聞きだします。


453 名前:>>452これはひどい自演だ・・・・[] 投稿日:2008/04/20(日) 23:36:05.60 ID:VOQpUkO80
>>448訂正

スザク 「そんな、ナイトメアに乗った狼が……」

ジェレミア 「ああ、ここも時期に襲われよう」

ルルーシュ 「とんでもない想定外だった。私の家でも潰されたのだから、スザクの家ではひとたまりもあるまい」

しかし、スザクはにこりと笑います。
そして小さなキーを取り出しました。

スザク 「こんなこともあろうかと……ね」

そういうと、スザクは家の外に出ました。
ルルーシュとジェレミアは、それに従います。


455 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 23:37:45.44 ID:VOQpUkO80

カレン 「 私は悪い狼だああああ!!」

ルルーシュ 「なに、もう来ただと!?」

ジェレミア 「ど、どうする!?」

スザク 「大丈夫さ。こんなときのために、ランスロットを用意しておいた」

スザクはそう言うと、家の裏手にまわりランスロットに乗降します。


456 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 23:41:14.39 ID:VOQpUkO80

ルルーシュ 「でかしたぞ、スザク!!早く乗せるんだ!!」

ジェレミア 「私も、私も乗せてくれ!!」

とりあえず、スザクはジェレミアをランスロットに搭乗させます。
ぴょんぴょんと跳ねるルルーシュに対し、スザクは笑顔でいいました。

スザク 「ごめん、兄さん。これ二人用なんだ!」

ルルーシュ 「ウ、ウザク!! 貴様あああああ!!」


460 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 23:42:34.11 ID:CbIifpOVO
これはひどい仲間割れ


463 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 23:44:07.15 ID:amBC7jglO
ルルーシュのかぐや姫以外での扱いが酷すぎるwwwwww


465 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 23:44:23.41 ID:VOQpUkO80

そしてスザクはランスロット持ち前のスピードで逃げ出すと、遠い街へと向かいました。
ルルーシュは、普段からもっと兄弟と仲良くするべきだったのかもしれません。
豚の丸焼きになった今、今までの行いを悔い改めていました。

カレン 「ポークも悪くないかもしれないな……」

ルルーシュ 「や、やめるんだ!!」

C.C 「ポークのあそこは、やはりポークビッツのようだな」

ルルーシュ 「お前は黙ってろ!!」

ΩΩ<いっただきまーす!!


「三匹の子豚」 おしまい


466 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 23:45:04.64 ID:4YwLLNwL0
ルルーシュが喰われたwwww

467 名前: ◆801bBLJJQw [] 投稿日:2008/04/20(日) 23:45:11.11 ID:+i33v4oH0
ルルーシュwwww


477 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/20(日) 23:48:11.36 ID:VOQpUkO80
とりあえず今日はこれでおしまい

少々メモを
俺の中でのカレンは紅蓮弐式の中で叫んでいる熱血カレンしか頭にない
あとキャラに偏りがあるのは、少々ギアス新参なので申し訳ない

まあでも、好きなキャラは多く出ちゃうんだけどね


幸福の王子も書きたいが、あんないい話を壊すのは俺にはできない
やるとしたら、かぐや姫テイストだが、何度もシリアスっていうのもね・・・

人魚姫面白そう。明日書いてみる

明日も書くよ。うん


636 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/21(月) 19:29:01.33 ID:XVyuzdhI0
             人
            (○)
           (ヽ×/)       チャリーン
            V||V     __ lヽ,,lヽ
             _| ::|_       | |Θ|(    )
        | ̄ ̄ ̄| ̄ ̄|_ |_|_|と   i
        |___|__|_|  |_|  しーJ

           
        /⌒\人/⌒ヽ
       ノ  \(○)/  ヽ <合衆国日本!
       Lノ⌒ ( ( ⌒\_」  
           く \     __ lヽ,,lヽ
             _| ::|_       | |Θ|(    )
        | ̄ ̄ ̄| ̄ ̄|_ |_|_|と   i
        |___|__|_|  |_|  しーJ

637 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/21(月) 19:33:15.21 ID:/bdlP0hc0
             人
            (○)
           (ヽ×/)       チャリーン
            V||V     __ lヽ,,lヽ
             _| ::|_       | |Θ|(    )
        | ̄ ̄ ̄| ̄ ̄|_ |_|_|と   i
        |___|__|_|  |_|  しーJ

           
        /⌒\人/⌒ヽ
       ノ  \(○)/  ヽ <合衆国日本!
       Lノ⌒ ( ( ⌒\_」  
           く \     __ /⌒\人/⌒ヽ
             _| ::|_       | |Θノ  \(○)/  ヽ <合衆国日本!
        | ̄ ̄ ̄| ̄ ̄|_ |_|_|Lノ⌒ ( ( ⌒\_」
        |___|__|_|  |_|     く \     

638 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/21(月) 19:40:35.63 ID:0ToEvvUVO
>>636-637
不覚にもwwwww


640 名前: ◆bAt3E3sVXo [] 投稿日:2008/04/21(月) 20:06:39.31 ID:wDWJhU880
>>636-637
腹筋が割れたwwwwwwwww

641 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/21(月) 20:08:08.11 ID:xxuBCB3+O
おかえりー


663 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/21(月) 21:36:20.48 ID:wDWJhU880

「人魚姫」

むかしむかし、ある海に人魚姫という半魚人がいました。
彼女はとても美しい声をもち、ときおり夜の浜辺で歌っていました。
そのあまりに美しい歌声に、いく人もの船乗りたちが心惑い、船ごと海のそこに沈んでしまったとの言い伝えがあるほどです。

シャーリー 「♪キレイに片方だけ? とうかんか?く?! とうかんか?く?!!」

ルルーシュ 「う、うおおおおおおおおおお!! なんだこの騒音は!!」

千葉 「 動力停止!! 船底破損!! この船は間もなく沈みます!!」

ルルーシュ 「なんだと!? ……原因は!?」

仙波 「……原因不明です。強いていえば、今さっき大きな空気の震えがあったことが……」

ルルーシュ (さっきの下賎な歌だな……!!)

ルルーシュ 「やむをえん!! みなのもの、脱出だ!!」

今宵もまた一艘、彼女の美しい歌声で船が沈んでしまったようです。
罪も犠牲も知らない人魚姫は、夜が明けるまで気分良く歌い続けました。


667 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/21(月) 21:42:45.36 ID:wDWJhU880

シャーリー 「あー、いっぱい歌って気分が爽快! さ、帰ろ……あら?」

ルルーシュ 「う……」

なんと、浜辺に青年が打ち上げられていました。青年は気を失っているようです。

シャーリー (素敵な人……)

なんと人魚姫は、その青年に一目ぼれをしてしまいました。
そしてどうにか彼を助けようと、試行錯誤します。


668 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/21(月) 21:46:18.37 ID:wDWJhU880

シャーリー 「人間には……心臓マッサージが効くってきいたわ。やってみよう!!」

シャーリー 「それ!!」

ルルーシュ 「うっ!!」

シャーリー 「はっ! ほっ! やっ! たっ!」

ルルーシュ 「げはっ! がはっ! ぐはっ! ……うおええええ!!」

青年が水をはきだました。どうやら、意識を取り戻したようです。
人魚姫は、青年に姿を見られる前に海へと潜っていきました。
なぜなら、人魚は人間の世界では、見世物あつかいされていたのです。


671 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/21(月) 21:49:39.99 ID:wDWJhU880

しかし海に戻ってからも、人魚姫は青年のことを忘れることはできませんでした。

シャーリー (ああ、あの人のことを思うと、尾びれがキュッってなっちゃう……)

シャーリー (でも私は人魚。人間と恋をできるわけない)

シャーリー (そういえば、どんなことでも叶えてくれる魔女がいるって聞いたことあるわ)

シャーリー (代償は大きいらしいけど、この思いには代えられない……)

人魚姫は意を決して、魔女のもとを訪ねることにしました。
魔女の家は海の奥底にあり、人魚姫でも見つけるのに三日かかってしまいました。


672 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/21(月) 21:52:51.35 ID:wDWJhU880

C.C 「それで? 願い事はなんだ?」

シャーリー 「はい、実は……人間にしてほしいんです!」

C.C 「変わった人魚だな」

シャーリー 「人間に恋をしちゃったんです。結ばれるには、人間になるしか方法はないんです!!」

C.C 「いいだろう。ただし、代償は声だ。お前の声をいただこう」

シャーリー 「はい!!」

C.C 「それともうひとつ、もしその男が他の娘と結婚してしまうと、お前はピザとなって死んでしまう」

シャーリー 「……はい」


674 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/21(月) 21:55:21.05 ID:7pgzXvAUO
ピザwww


675 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/21(月) 21:56:28.94 ID:wDWJhU880

こうして人魚姫は、声と引き換えに人間の下半身を与えられました。
そして人魚姫は、冥土の土産だ、と魔女に綺麗なお洋服をもらい、地上まで魔法で送ってもらいました。

シャーリー (さて、あの人を探さないと……あ!!)

これは運命でしょうか。
なんと、人魚姫が地上に降り立った直後に、あの青年が浜辺に現れたのです。

リヴァル 「だから違うよルルーシュ。猫耳には至高の萌えがあってだな……」

ルルーシュ 「悪いがリヴァル、僕には猫耳趣味はないよ」

シャーリー (これはチャンスよね!! さっそく声をかけ……あ)

ここで初めて、人魚姫は声の大事さに気づきました。
気持ちよく歌を歌うことも、人に愛を伝えるのも、全て声あってのものです。
それに気づくと、人魚姫は悲しくて、涙を流し始めました。


677 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/21(月) 21:58:47.77 ID:wDWJhU880

ルルーシュ 「どうしました、お嬢さん」

シャーリー (!!)

ルルーシュ 「なにか悲しいことでもあったのですか?」

シャーリーはなんとかして声を発しようとしますが、当然出るはずがありません。
仕方がないので、砂浜に指で文字を書きました。

わたしには こえがありません なので とてもかなしいのです


678 名前:みんなどこへ消えてしまったの・・・[] 投稿日:2008/04/21(月) 22:01:26.17 ID:wDWJhU880

リヴァル 「喋れないのか……。可哀想に」

ルルーシュ 「お嬢さん、身寄りは?」

人魚姫は、ふるふると首を横にふりました。
すると青年は、人魚姫の手をとり言いました。

ルルーシュ 「お嬢さん、よければ私と一緒に暮らしましょう」

シャーリー (……!! ……はい!)

こうして、人魚姫は青年と一緒に住むことになりました。
二人は仲良く暮らしましたが、決して恋仲になることはありませんでした。


679 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/21(月) 22:04:24.30 ID:wDWJhU880

ある晩、青年が人魚姫にあることを告白しました。
それは、人魚姫もよく知っていることでした。

ルルーシュ 「実は俺は昔、死に掛けていたところを助けてもらったことがあるんだ」

シャーリー (……!!)

ルルーシュ 「残念ながら顔は見逃してしまったが、私はあのかたに大変恩義を感じている」

ルルーシュ 「声からすると女性のようだった。見つけることができれば、ぜひ妻として迎えたいと思っている」

シャーリー (それは私……私なのよ!!)

人魚姫は必死に伝えようとしますが、やはり声なしには伝えることはできませんでした。
そして青年は、明日街で有名な人探し屋を連れて、その人を探しにいくと言いました。
それを聞いた人魚姫は、その夜静かに涙を流しました。

シャーリー (こんなに、こんなに近くにいるのに……!!)


680 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/21(月) 22:07:44.54 ID:wDWJhU880

そして翌日、その人探し屋が青年の家にやってきました。

ルルーシュ 「今日はお願いします」

マオ 「ん?、僕に任せてよ?」

シャーリー (……軽そうな男の人)

ルルーシュ 「マオさん、この子はしゃべれないんです。挨拶ができないことは、どうかお許しください」

マオ 「別に構わないさ。さ、その命の恩人とやらを探しに行こうか」

ルルーシュ 「はい」

シャーリー (命の恩人は……私なのに)

マオ 「……へぇ」


681 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/21(月) 22:10:37.23 ID:wDWJhU880
それから一日、青年は友人とマオと人魚姫を連れて、街中の娘を訪ねました。
しかし、誰一人として、青年の探す女性ではありませんでした。

日も暮れた頃、四人は浜辺で休憩をとることにしました。

ルルーシュ 「いったい、どこにいると言うんだ。俺の命の恩人よ……」

マオ 「実はですね、僕は知ってるんだよ。その命の恩人が誰かを」

ルルーシュ 「え……」

リヴァル 「だれ? だれ!?」

シャーリー (……)

マオ 「実は僕、不思議な力を持っているんだ。人の心が読み取れてしまう……」

シャーリー (……!!)

マオは、人魚姫のほうを向き、ニヤリと笑いました。


683 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/21(月) 22:14:58.53 ID:wDWJhU880

ルルーシュ 「それで、一体誰なんだ?」

マオ 「それは君がよく知っている人物だよ……」

マオはそう言うと、人魚姫を指差しました。

シャーリー (……!!)

リヴァル 「まじかよ!!」

ルルーシュ 「……!!」

マオ 「彼女は声が出ないからね、それを伝えることができなかったんだ」

マオは夕日を見上げます。
そしてシャーリー、青年と順番に見て……不敵な笑みを浮かべました。


684 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/21(月) 22:19:32.45 ID:wDWJhU880

マオ 「しかし、君は騙されているんだ」

シャーリー (なに、なにを言おうとしてるの……?)

ルルーシュ 「なんだ?」

マオ 「彼女はなんと……元・人魚なんだよ!!」

マオ 「それがなにを思ってか、声と引き換えに人間の足を手に入れた!!」

マオ 「魔女との汚れた契約を結んでね! だから喋れないのさ!!」

ルルーシュ 「なん……だと……」

シャーリー (違うの!! 私はあなたが好きだったから!! だから声を失ったの!!)


685 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/21(月) 22:21:14.77 ID:y46wMYUa0
なん・・・だと・・・?


687 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/21(月) 22:26:31.31 ID:wDWJhU880

マオ 「君は、そんな呪われた人魚を妻にできるのかい!?」

マオ 「僕らの間じゃ、せいぜい見世物にされる人魚だ。しかも、この人魚は、見世物にさえふさわしくないほどの下衆だ!!」

マオ 「どうなんだい!?」

シャーリー (そうよ……どうせ、私は人魚。人間と結ばれることはないんだわ)

人魚姫は顔をうすめると、静かに泣き出しました。
一方、青年も頭をかかえて砂浜に座り込んでいます。

ルルーシュ 「なんということだ……」

リヴァル 「ルルーシュ……」


689 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/21(月) 22:29:22.76 ID:wDWJhU880

ルルーシュ 「リヴァル、覚えているか?」

リヴァル 「なにを?」

ルルーシュ 「私が昔、猫耳には興味はないと言ったことを……」

リヴァル 「ああ、それが今なんの関係があるんだよ」

青年は顔を覆い、くくっと笑みを洩らします。
そして、両手を広げて立ち上がりました。


692 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/21(月) 22:33:22.99 ID:wDWJhU880

ルルーシュ 「素晴らしいこともあったものだ……」

ルルーシュ 「リヴァル、私は生粋の……」

ルルーシュ 「人魚っ娘萌えなんだよ!!」

ルルーシュ 「 命の恩人が元・人魚だなんて最高じゃないか!!」

マオ (馬鹿な!! この僕でも……C.Cが人魚だったら萌えられないというのに!! こいつ……変態か!?)

ルルーシュ 「ふふふ……はーっはっはっは!!」


702 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/21(月) 22:38:17.41 ID:wDWJhU880

ルルーシュ 「なあ、僕と結婚してくれないか……?」

シャーリー (……もちろん!!)

人魚姫は、感激の涙を流しました。
その後、人魚姫に声がもどることはありませんでしたが、二人は末永く幸せに暮らしました。

C.C 「ふん、どうやらピザは食い損ねたようだな」

C.C 「それにしても、最近の海は穏やかだ……」

そうなんです。余談ですが、人魚姫が声を失ってからというものの、この海での遭難事故は一切なくなりました。
なぜかはわかりませんが……。


「人魚姫」 おしまい


703 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/21(月) 22:38:24.86 ID:5OG6Uc2Q0
なんだそれwwwwwwwww

704 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/21(月) 22:38:42.80 ID:kUndw9kF0
ルルwwww
新しいなww

705 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/21(月) 22:39:31.52 ID:GbYEZQgQ0
幸せならいいんじゃねwww

706 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/21(月) 22:39:39.38 ID:cM04R/f70
ハッピーな人魚姫いいなwwww
あとマオの少し好感度が上がったw


759 名前: ◆bAt3E3sVXo [] 投稿日:2008/04/22(火) 00:52:28.43 ID:tgdGNzFq0

「幸福の王子」

むかしむかし、ある街に「幸福の王子」と呼ばれる像が建っていました。
頭部にはサファイアでできた仮面、腰の銃にはエメラルドが輝き、体は金箔のマントに包まれていて、心臓は鉛で作られていた。
そして最大の特徴は――真っ赤なルビーが組みこまれた左目。

この美しく、不気味な輝きを放つ像は、街のシンボルとなっていました。
街の子供たちはみな、「幸福の王子」を友達のように親しみ、よくいたずらをしていました。
顔に落書きをされようとも、「幸福の王子」という字が「幸福の玉子」に書き換えられていても、王子は街のみんなを愛していました。

カレン 「幸福の王子、こんにちは!!」

ルルーシュ 『こんにちは、カレン。今日も元気だな』


762 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/22(火) 00:54:15.09 ID:tgdGNzFq0

ナオト 「おいおい、カレン。像は返事なんかしないぞ」

ルルーシュ 『なにを言っている。私はこうして喋っているであろう』

カレン 「……そうだね! バイバイ、幸福の玉子!!」

ルルーシュ 『私は玉子ではない! 王子だ!!……じゃあな』

こうして、毎日必ず王子のところにやってくる子供たちはたくさんいます。
王子はいつもそれを楽しみにしていました。

ルルーシュ (幸福の王子という像に生まれて本当に良かった……)

王子の心臓である鉛は、いつもどこか温かいぬくもりに包まれていました。


765 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/22(火) 00:57:43.90 ID:a1zt4kcq0
てか、仮面着けてるのによく眼にルビーが埋め込まれてるなんてわかったなwww

766 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/22(火) 00:57:57.23 ID:tgdGNzFq0

ある日、いつも通り王子が子供たちと戯れていると、あることに気づきました。

ルルーシュ (おかしいな。今日はカレンが来ない……)

王子はちょっと心配になり、カレンの家のほうを見ました。
幸い、カレンの家はここから近いので、中の様子をのぞくことができました。

カレン 「ごほっ、ごほっ、げほっ!!」

ナオト 「 カレン、大丈夫だぞ。俺がついているからな」

カレン 「うん、ありが……ごほっ!!」

ナオト 「俺が、俺がもっと金を稼げれば、薬を買ってやれるのに……」

ルルーシュ (……)


767 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/22(火) 00:59:37.51 ID:tgdGNzFq0

カレンの家は、小さいカレンとナオトの兄妹の二人暮らしで、ナオトの年齢では大した仕事もありません。
彼らはその日暮らしをしていくのがやっとで、とても病気を治すようなお金は持っていませんでした。

カレン 「お兄ちゃん、私はお兄ちゃんと一緒にいられるだけで元気になれるよ……」

ナオト 「カレン……」

ルルーシュ (世の中は、なんと不公平なことか……)

ルルーシュ (小さな子供が病に苦しむ。これほど悲しいことがあろうか……)

王子はこの世の不条理を憂いながらも、自分ではどうすることもできないことをわかってました。
像は人間と会話もできない、自ら動くこともできない。
今日ほど、王子は自分が像であることを悔しく思ったことはありませんでした。


770 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/22(火) 01:02:04.23 ID:tgdGNzFq0

そんなある日、王子の足下に一羽のツバメがやってきました。
ツバメはブリタニアから来た渡り鳥で、王子に色々な旅の話を聞かせました。
一体と一羽は、あっという間に仲良しになりました。

そこで王子は、ツバメにある頼みをすることにしました。

ルルーシュ 「なあ、ツバメよ。頼みがある」

スザク 「なんだい?」

ルルーシュ 「実はあそこの家の娘が、病気で苦しんでいるんだ」

ルルーシュ 「しかし貧乏なので、薬を買うこともできない。そこで、だ」

ルルーシュ 「私の腰にさしてある銃からエメラルドを抜き取り、彼らにそれとなく渡してくれないか?」

スザク 「だが断る」


772 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/22(火) 01:03:39.09 ID:540jiyn30
ことわるなwww


775 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/22(火) 01:04:27.49 ID:tgdGNzFq0

ツバメの思わぬ返答に、王子は焦りました。

ルルーシュ 「何故だ!? そのエメラルドを売れば、あの娘の薬を買うこともできよう!」

スザク 「そうだね。結果的に、あの娘の病気は治るかもしれない」

スザク 「だが考えてもみなよ。君のエメラルドを売って、金を得る? 盗人に等しい行為じゃないか」

スザク 「間違った方法で得た結果は、後々悲惨なことをひきおこすよ」

ルルーシュ 「しかし、もしあの娘が死んでしまったら……。頼む、お前にしかできないんだ」

ツバメは悲しそうに目を伏せ、「これが長年の旅で得た結論さ」と呟きました。
そしてそのまま、どこかへ飛んでいってしまいました。


779 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/22(火) 01:06:24.46 ID:tgdGNzFq0

それからしばらく、街では大雨が続きました。
カレンはあれから更に病を重くし、苦しそうに寝込んでいます。

ルルーシュ (なぜ、なぜ私は動けないんだ。なぜ、私は像なんだ)

王子が自分を嘆いていると、ふと足下に柔らかな感触を感じました。
それはなんと、いつかのツバメでした。

ルルーシュ 「……なんの用だ」

スザク 「雨宿り、させてもらうよ」

ルルーシュ 「勝手にしろ……」

王子はツバメに対して怒りを感じてたし、今すぐにでもここから追い出したいとさえ考えています。
しかし、動くことのできない自分にはそれさえできない。そう思うと、怒鳴る気力さえ失ってしまうのでした。


785 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/22(火) 01:08:28.65 ID:tgdGNzFq0

雨の勢いはどんどんと増していきます。
さすがに退屈してきた王子は、ツバメに話しかけることにしました。

ルルーシュ 「ツバメよ、聞いてくれないか」

スザク 「なんだい?」

ルルーシュ 「あのカレンという娘、今の姿からは想像できないが、病に伏せる前はたいそう元気な娘だった」

スザク 「……」

ルルーシュ 「毎日私のところへきては、あいさつをする。掃除もしてくれる」

スザク 「いい子なんだね」

ルルーシュ 「まあ、あいさつと言っても悪口だがな。掃除をするのも、私にイタズラ書きするから、兄に怒られてやるだけだ」

スザク 「はは……」


787 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/22(火) 01:10:43.42 ID:tgdGNzFq0

ルルーシュ 「だが……あの娘だけは、私に話しかけるのを欠かしたことはなかった」

ルルーシュ 「彼女は私を友達のように思っていたのかもしれないな。……まあ、私もだが」

スザク 「……そうか」

ルルーシュ 「なあ、ツバメよ。友にたいしてなにも出来ない私の苦しみ、理解できるか?」

スザク 「ごめん。わからないんだ……」

ルルーシュ 「ふん、お前には心というものがないのか。……私の心は今、冷え切ってしまっている」

ルルーシュ 「どうして、どうして……友を救うことのできない私を、みなは幸福の王子と呼ぶのだろうか」

雨宿りをしているツバメの頭に、ぽつんと一粒滴が落ちてきました。
そしてそれはあっという間に、大雨となりました。


792 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/22(火) 01:12:52.04 ID:tgdGNzFq0

スザク 「わかったよ。僕が行ってこよう」

ルルーシュ 「本当か!?」

王子が嬉しそうな声をあげます。

スザク 「本当さ、雨が止んだら行ってくるよ。……だから、泣くのを止めておくれ」

ルルーシュ 「な、泣いてなどいないぞ!! これは雨だ! そうさ、雨に決まっているだろう!」

スザク 「おや、丁度雨は止んだようだ。……何故か、僕の頭にだけ集中豪雨してるけど」

ルルーシュ 「だ、黙れ!!」

スザク 「それじゃあ雨も止んだし、いってくるよ」

ルルーシュ 「……ありがとう」

そう言うとツバメは銃からエメラルドを抜き、それを口にくわえます。
そしてカレンの家めがけて飛んでいきました。


797 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/22(火) 01:15:36.61 ID:tgdGNzFq0

カレン 「ごほっ、ごほっ……。あ、ツバメさん……」

ナオト 「なにかくわえているぞ……エメラルドだ!!」

ナオト 「よかったな、カレン!! これを売ればお薬を買えるぞ!!」

カレン 「本当?」

ナオト 「本当だとも!! よかった、本当に良かった……」

その様子を見届けると、ツバメは黙って家から出て行きました。
その背後には、いつまでもカレンを抱きしめ続ける兄の姿がありました。


802 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/22(火) 01:17:58.82 ID:tgdGNzFq0

ルルーシュ 「……ご苦労」

スザク 「……うん」

ルルーシュ 「本当に、ありがとう」

スザク 「こんなこと、これっきりだよ」

ツバメはそう言いましたが、それからも王子の頼みを度々聞き入れました。
そして、しまいには自ら進んで宝を配るようになりました。

街のみんなは彼を「幸福のツバメ」と呼び、「幸福の王子」を「幸福の王子・改」と呼び、更に親しみました。
しかし、それとは対照に、宝を失った王子の体はみすぼらしくなり、とうとう残るは左目のルビーだけとなりました。
そして、ツバメも時間の経過と共にどんどん老いぼれていきました。


804 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/22(火) 01:19:43.74 ID:L1Ke7PsiO
改wwwwww


805 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/22(火) 01:19:50.54 ID:CnW3jiGKO
改てwww


808 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/22(火) 01:22:17.41 ID:tgdGNzFq0

そしてとうとう、ツバメは飛べなくなってしまいました。
町中に宝を配るというのは、小さなツバメにとっては酷なことだったのでしょう。
元々小さかった翼は、更に小さく見えました。

スザク 「ふふ、お互いボロボロだね」

ルルーシュ 「……すまない、ツバメよ。お前がこうなるまで、頼みごとをしてしまって」

スザク 「いいんだよ、僕がこうしたくてやったんだ。だから、いいのさ」

ルルーシュ 「本当にすまない……」

王子は、ツバメに対して強い罪を感じていました。
こうなるまで、ツバメに重労働をさせてしまったこと。
何度も説得して、渡り鳥なのにこの街に縛りつけ、自由を奪ってしまったこと。

王子は、せめて最後に恩返しをしようと考えました。


811 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/22(火) 01:24:22.72 ID:tgdGNzFq0

ルルーシュ 「ツバメよ、聞いてほしい」

スザク 「なんだい?」

ルルーシュ 「私の目を見て、聞いてほしい」

スザク 「あ、ああ……」

一体と一羽の目がばっちりと合いました。
そして次の瞬間、王子は静かに言いました。

ルルーシュ 「幸福の王子が命じる……ツバメよ、自分の好きなように残りのときを過ごせ」

左目のルビーが、強い光を放ちました。


815 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/22(火) 01:26:47.01 ID:tgdGNzFq0

パァァァァァァァァァァァ!

スザク 「う……」

ルルーシュ (これでいい、これでいいんだ)

ルルーシュのせめてもの恩返しは、ツバメに自分の心からの意思で羽ばたいてもらうことでした。

ツバメがこの街から離れようとしないのは、ツバメが宝を配ることに、責任感と圧迫感を感じているからだ。
ツバメが宝を配らないと、貧乏人が苦しんでしまう。ツバメを「幸福のツバメ」と呼び、待っている人たちがたくさんいる。
ツバメはそう考えて、自分の自由を縛ってしまっている。そうさせたのは自分だ。

だから、ギアスをかけたツバメは、どこか遠くへ飛んでいくだろう。
彼は、渡り鳥なのだから。
ルルーシュはそう考え、ツバメにギアスをかけたのです。


818 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/22(火) 01:28:30.62 ID:tgdGNzFq0

ルルーシュ 「ツバメよ、大空へ羽ばたくが良い。絶対遵守なのだから、その傷ついた羽も動かせよう」

スザク 「ああ、羽も動かせるみたいだ……」

ツバメはそう言うと、静かに羽ばたき始めました。
そして大空へ――向かわず、そっと王子の肩に止まりました。

ルルーシュ 「絶対遵守といえど、やはりその羽では無理なのか……」

王子は、自分の不甲斐なさを大変残念に思いました。
しかし、ツバメは笑顔で答えます。

スザク 「違うよ。羽はものすごく元気さ」

ルルーシュ 「ならば、何故……」

スザク 「自分の好きなように残りのときを過ごせ――。そのままだよ、僕はここで残りのときを過ごしたいのさ」


824 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/22(火) 01:30:39.61 ID:tgdGNzFq0

ルルーシュ 「……ツバメ。何故だ?」

スザク 「何故か……?その理由を言う前に、君にいくつか謝らなければいけないことがあるんだ」

ルルーシュ 「なんだ?」

スザク 「一番最初に聞かせた旅の話さ、あれ全部嘘なんだ。僕は臆病だから、ずっとこの街の近くの森に住んでいた」

ルルーシュ 「……」

スザク 「僕の嘘の話で仲良くなった君は、僕を信頼したんだろうな。だから僕に頼みごとをしたんだろう」

スザク 「あのとき僕はこう言ったよね、『間違った方法で得た結果は、後々悲惨なことをひきおこすよ』、と」

ルルーシュ 「ああ」


827 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/22(火) 01:32:35.39 ID:tgdGNzFq0

スザク 「あれはね、生まれたてのころにいつも親から言われていたんだ。唯一の肉親から贈られた言葉」

スザク 「だから、あの言葉だけは僕にとって絶対だった。……だから僕は断ったんだ、君の頼みを」

スザク 「嘘の話で得た僕に対する信用を、結果に結び付けてはいけないってね」

スザク 「でも今は、人々に宝を配ることは間違っていなかったと信じているよ」

スザク 「そして、本当に悪かった。ごめん」

ルルーシュ 「気にするな、もう昔のことさ」

それを聞くと、ツバメはにっこり笑います。
そして再び話を始めました。


831 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/22(火) 01:35:02.51 ID:tgdGNzFq0

スザク 「昔、君は僕にこう言ったね。『友にたいしてなにも出来ない私の苦しみ、理解できるか?』、と」

ルルーシュ 「お前はわからない、と言ったな」

スザク 「あのときの僕にはわからなかったんだよ。本当に。何故なら……友達なんて、できたことなかったから」

ルルーシュ 「……そうか」

スザク 「僕は生まれてからすぐ孤独になった。僕を気にかけてくれる仲間なんて、一人もいなかった」

スザク 「渡り鳥なのにおかしいだろう? 森に一人で住んでるなんて」

スザク 「でも、しょうがないんだ。僕の孤独は、じっとしていないと抑えることができなかったんだ」

ルルーシュ 「……」


836 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/22(火) 01:37:11.53 ID:tgdGNzFq0

スザク 「僕の孤独は一生晴れる事はないと思っていたよ」

スザク 「君に出会うまで……」

ルルーシュ 「ツバメ……」

スザク 「さあ、遅れたけど、最初の質問に答えようか」

ルルーシュ 「……」

スザク 「僕がここにいるのは……君が僕の最愛の友だからだ。僕は一生の最期を、最初で最後の友の側で過ごしたいだ……け……」

そう言うと、ツバメは静かに瞳を閉じました。
そしてそっと、その小さな体を王子に傾けました。


841 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/22(火) 01:39:47.15 ID:tgdGNzFq0

ルルーシュ 「違う。違うぞ。俺はそんなことをさせるために、ギアスをかけたわけではない……」

ルルーシュ 「お前はこの街を抜け、世界へ渡るのだ。それがお前の望む自由だったはずだ」

ルルーシュ 「だが、ツバメよ。お前がそれを望むというなら……。それがお前の幸福と言うなら……」

ルルーシュ 「私は受け入れよう。なにせ私は、幸福の王子だからな……」

それからしばらくして、王子の左目のルビーが地面へと落ちました。
そして王子の心臓である鉛が、小さな音を立てて割れて、粉々になりました。


845 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/22(火) 01:41:50.26 ID:tgdGNzFq0

それから数年後、街はだいぶ様子も変わり、にぎやかになっていました。
店が立ち並び、人々は陽気にあいさつをかわす。とても素敵な街でした。

その中に、雑巾とバケツを持つ一人の少女がいました。

カレン 「よし、今日もやってやるか!!」

彼女は雑巾を水に浸すとよく絞り、なにかを磨き始めます。

カレン 「あー、相変わらずゴツゴツとした像ね。磨きづらいっつーの」

少女はふと、像のしたに彫られた文字を見ました。
元の文字は、「幸福の王子と幸福の鳥の像」と彫られていたのですが――。
それを見ると「やられた!」と叫び、そしてしばらくすると、そっと笑みをこぼしました。


850 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/22(火) 01:44:26.55 ID:tgdGNzFq0

カレン 「またあなたね、C.C。いたずらっ子なんだから」

C.C 「ふん、やめてほしかったら東京ドームサイズのピザを持ってこい」

カレン 「なにが、幸福の玉子と幸福のにわ鳥よ。それじゃあ、幸福の親子丼じゃない」

そう言って笑うと、少女は再び像を磨き始めました。

少しずつ綺麗になっていく、王子とツバメ。
街の人々に幸福を与え続けてきた一体と一羽でしたが、
少女は寄り添う二人の間に、本当の幸せを垣間見たような気がしました。


852 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/22(火) 01:45:37.17 ID:sBdCBz1H0
幸福の親子丼wwwwww


856 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/22(火) 01:45:56.49 ID:N6nm/lteO
親子丼うめえwwww


860 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/22(火) 01:46:49.66 ID:v3G+Iujx0
このカレンの旦那がオレな気がしてならない


862 名前:>>860寝言は寝て言え[] 投稿日:2008/04/22(火) 01:48:06.97 ID:tgdGNzFq0

掃除を終えた少女は、その像を見つめると、突然手を合わせました。
そして目を瞑り、小さい声で呟きます。

カレン 「ありがとう、幸福の王子」

ナオト 「ありがとう、幸福のツバメ」

カレン 「お兄ちゃん!?」

少女が振り返ると、そこには少女の兄がたっていました。

ナオト 「だってほら、この像たちは最愛の妹の命の恩人だから、しっかりお礼を言わないと」

カレン 「最愛とか恥ずかしいから言わないでよっ! もー……」

笑顔を見せながら、触れ合う兄妹。
その二人の間にも、確かにかけがえのない「幸福」がありました。


「幸福の王子」 おしまい


876 名前: ◆bAt3E3sVXo [] 投稿日:2008/04/22(火) 01:52:04.90 ID:tgdGNzFq0
あとがき

二日間?三日間?付き合ってくれてありがとうございました
ほとんどが書きながらのいきあたりばったりだったから、遅くていらついたり矛盾とか多かったと思う

本当にごめんね

でもコードギアス好きだからさ、本当にごめんね

また今度こんな機会あれば、書けるといいなー
最後くさい話でごめんね
んで本当にありがとう

「コードギアス 童話風のルルーシュ」 おしまい


878 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/22(火) 01:53:14.24 ID:RZtVWkiNO
乙!
最後はいい話で締め括る……分かってるじゃないか!感動した!

879 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/22(火) 01:53:24.90 ID:v3G+Iujx0



880 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/04/22(火) 01:53:31.75 ID:xwDxinS1O

ナオトの顔が思い出せないから杉山で脳内補完した
スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://2ch4u.blog120.fc2.com/tb.php/51-2e6456e9
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。